2022年8月16日

身近なSDGs

ヨーロッパでのペットボトルの使用はいつから始まった?

身近な疑問からSDGsを見てみる

Quarterly OCEAN Vol.01

series 身近なSDGs


サステナブルはファッションではありません。

再利用素材を使う新しいデザインともいうべき新・生活設計ということができます。再利用素材の代表格がペットボトルです。普段、何気なく使っているペットボトル。コンビニでもお世話になっていますね。


「シリーズ身近なSDGs」のテーマとして最初に選んだのが、このペットボトルです。少し、歴史を振り返ってみましょう。

読者のみなさんは、ペットボトルはいつ頃から使われたと思いますか? ご自身の経験から思い出してみましょう。


子どもの頃にはありましたか?実は、ポリエステルの一種である「ポリエチレン・テレフタレート」(PolyEthylene Terephthalate)は、1941年から存在していました。これはペットボトルの素材となるもので、日本では「PET」として、よく耳にすることばですね。

このペットボトルの原料は、化学メーカー・デュポン社の科学者が、繊維を作るためのポリマー(重合体)の実験をしている時に開発したものです。略称のPETは「ポリエチレン・テレフタレート」の頭文字をとったもので、1953年にデュポン社は特許を取得しています。


初期のペットボトルは、軽量化という点では期待されていましたが、化学物質が溶け出し、炭酸飲料を入れることができませんでした。しかし、1970年代になると、改良を重ねた結果「奇跡のプラスチック」が登場し、この状況を一変させました。

1973年には、同じくデュポンの科学者ナサニエル・ワイエスが、初めてペットボトルの特許を取得しました。これは、軽量で安全、安価、そしてリサイクル可能。つまり、「奇跡のプラスチック」のおかげで、その後のペットボトル乱造のきっかけとなる完璧な容器だったのです。


翌年の1974年、アメリカでは炭酸飲料に使用されました。70年代後半になると、ヨーロッパでも(同じく日本でも)ペットボトルが使用されるようになりました。ヨーロッパでミネラルウォーターと言えば「ペリエ」と「エビアン」ですが、ペットボトルが大西洋を渡ってアメリカから製造技術が伝わると、ヨーロッパでもボトルウォーターがブームを巻き起こしました。

ところで、日本では1977年に「しょうゆ容器」としてペットボトル容器を採用したのが始まりです。中身が見えるので、消費者に安心感を与えたようです。

その後、82年には食品衛生法が改正され、清涼飲料容器に、85年には酒類用容器として、2002年には乳飲料容器として使用が始まりました。


1960年から70年にかけて、平均的な人は年間200から250のパッケージ飲料を買っていたと、エリザベス・ロイトは、容器リサイクル研究所のデータを引用して、著書『ボトルマニア』で報告しています。それらの購入のほとんどは、詰め替え用のボトルであったと彼女は付け加えています。


現在はどうでしょう?

2017年現在、世界規模では毎分100万本の飲料用プラスチックボトルが購入されていると、Euromonitor Internationalのグローバルパッケージング・トレンドレポートのデータでは発表されています。(2017年The Guardianの発表による)。プラスチック産業協会によると、現在、米国ではプラスチックボトルと瓶が重量ベースで全プラスチック容器の約75%を占めているそうです。


ペットボトルは、包装容器ですので、品質の保全性、安全性、衛生性、便利性、商品性、経済性、作業性、環境対応性などが要求されます。時々聞く「世代間倫理」と呼ばれる原則。私たちは現存世代だけでなく将来世代の生存に対しても責任を負わなければなりません。ペットボトルの再利用、すなわち「環境対応性」も利用者としては、きちんと現世代から次世代へと教えていかなければなりませんね。なぜなら環境破壊は恐怖ですが、人類にとっては同時に「挑戦」でもあるからです。


 

文責:水嶋英治

参考文献:  

https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/history.html

https://www.nationalgeographic.com/environment/article/plastic-bottles


[この記事は、Quarterly OCEAN Vol.01に掲載された内容をweb用バックナンバー向けに再編集したものです。]